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蜘蛛女のキスのcamusonのレビュー・感想・評価

蜘蛛女のキス(1985年製作の映画)
2.7
タイトルからミステリアスで妖艶で、
ブラジル映画であることから野性味溢れる濃い~い作品を期待したのですが、
まったく想像していたものと違いました。

牢獄の中の2人の男の会話にほぼ終始しています。
2人のうち1人がホモセクシャル。
もう1人の政治犯の男に対して、昔見た映画について語り始めるのですが、
それが劇中劇として映像で再現され、
牢獄での2人のやりとりと交互に進行していくという洒落たことをやっています。
劇中劇の雰囲気も含めて欧州的な香りがするので、
ブラジルというよりもアルゼンチンっぽいなと思ったのですが、
後で調べてみると原作がアルゼンチン作家によるもので、
監督もアルゼンチン出身でした。納得しました。

牢獄の中の話を長く引っ張った割に、
牢獄を出てからの話があっけなく、
ちょっともったいない感じがしました。

劇中劇のヒロインと、政治犯の昔の恋人と、
むさ苦しいシーンの中の数少ない花である割に、
2人ともちょっとビミョーだなと思ったのですが、
後で役者が同一人物だと知りました。
まったく気付きませんでした。

なんか牢獄の中に調理器具まであって、結構住みやすそうでした。
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