『バクラウ』きっかけのラテンアメリカ映画も最後。当時、映画誌の絶賛に釣られて観たけど撃沈したやつ。なので再鑑賞してみた。
シチュエーションが戯曲的。苦手な会話中心だけど、不思議と気にならなかった。
監獄で同室になった政治犯バレンティンを愛したモリーナの悲しい恋物語。モリーナは自身を女性と認識しているから、今ならゲイではなくトランスジェンダー。
別れ際にバレンティンはモリーナに言葉をかける。「君を食い物にする権利なんか誰にもない」彼の言葉がモリーナに決心させたんだね。バレンティンを想うモリーナがいじらしく、結末が悲しかった。
ウィリアム・ハートがオスカー受賞。納得の演技。伸ばした腕のラインのなんと嫋やかなことよ。