広島カップ

昭和残侠伝 吼えろ唐獅子の広島カップのレビュー・感想・評価

昭和残侠伝 吼えろ唐獅子(1971年製作の映画)
3.0
筋の通らない仁義を通す組の親分にやっかいになってしまったばかりに、通したくない筋を通すことになる通りすがりのヤクザ者(高倉健)ですが、最後にはやはりそんな通したくない筋は絶対に通さない話。

任侠物はあまり多くは観ない私の言うことなのであまりアテにはなりませんが、高倉健の凄さの一つは眉間にシワを寄せないことのように思います。斬り合いの時にも殆ど寄せない。
池部良が寄せていても寄せてない。鶴田浩二が寄せてる時も寄せてないし、松方弘樹が大いに寄せてる時もちっとも寄せてない。それどころか逆に目は細目にならず見開いて眉間の皮膚は伸びている。
それ故に斬り合いの場面では一瞬の先手を取れているのだと思います。

それともう一点、敬意をはらうように相手のことを「何々さん」とさん付けで呼ぶこと。心から相手への敬意を含んでいるようなさん付け呼び。
『ブラックレイン』(1989)で外国人警官を「ニックさん」と呼ぶ真面目で実直な警官役も思い出しますが、さん付けで相手を呼ぶのが似合うのも高倉健の凄い所だと思います。
広島カップ

広島カップ