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ワーテルローのTSのレビュー・感想・評価

ワーテルロー(1969年製作の映画)
3.4
【ナポレオン最後の戦い】
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監督:セルゲイ・ボンダルチュク
製作国:イタリア/ソ連
ジャンル:歴史
収録時間:133分
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発掘良品第27弾。世界史を勉強されてきた方ならタイトルでハッと気づくはず。「ワーテルロー」、そうナポレオン最後の戦い「ワーテルローの戦い」を扱った歴史映画であります。エルバ島から脱出したナポレオンは、しかしこの戦いで敗れてセントヘレナ島に流されてしまいます。この期間がおよそ100日であったため「百日天下」とも称されます。

時は19世紀前半。フォンテーヌブロー条約により皇帝を退位しエルバ島に流されたナポレオン。しかし、ウィーン会議により復活したブルボン朝に人々は不満を持っていたためナポレオンはエルバ島を脱出し打倒王政を掲げるのだが。。

歴史映画というのは結末がわかっています。つまり、結末をわかりながらその過程を楽しむ映画のジャンルであります。何も隠す必要はなく、ナポレオンはこの戦いに負けます。ではナポレオンは負けるまでどうしてきたのか。この辺りが鑑賞ポイントになることは言わずもがなです。

ナポレオンを演じるのはロッド・スタイガー。なるほど、ナポレオン自体もフサフサではなかったらしいのである意味適任な気がします(笑)まあそれは置いといて、迫力ある箇所では怒声を出していたので素晴らしい演技だったと思います。ルイ18世役として『市民ケーン』で有名なオーソンウェルズが抜擢されてましたが、これも中々似合っていました。

特筆すべきなのはエキストラの数でしょう。CGが難しかったこの時代、これ程の人数を実際に登用していたとは恐れ入ります。実際、20万人が激突したとされてますが本当にそれくらい登用してるのではと思わされるくらいでした。大砲も出てくるし戦馬も出てくるのでスケールは一級品映画と比べても何ら遜色ないと思われます。

ところが、、実際に人同士が戦うシーンはショボい。。どうしたものか!これ程のエキストラがいながらも細かく見ればやり合いは大したことない。まるで爪楊枝で刺した勢いくらいなのに即死の兵士が続出なのであれれ、、と思ってしまいます。

またワーテルローの戦いに入るまでが長い。ナポレオンの戦略、苦悩を垣間見れる貴重なシーンだとは思いますが少し淡々としてます。題材やエキストラの数は抜群なのに、、非常に、非常に惜しい作品であります。しかし、再三申し上げますがエキストラの数は認めます。これ程の規模は『戦争と平和』と並ぶ程だそうです。コアなファンの方の評価は高いですが発掘良品となった今、世間の評価は如何程か、、
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