ユースケ

フロム・ダスク・ティル・ドーンのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

特殊メイク界の天才集団K.N.B. EFX Group Inc.がスタジオの技術と才能を見せつけるため、スタジオの代表であるロバート・カーツマンが書き上げた原案を、脚本クエンティン・タランティーノ、監督ロバート・ロドリゲスで映画化した本作は、逃亡中の凶悪犯ゲッコー兄弟が元牧師一家を人質にメキシコへの国境越えを目指す前半のクライム・アクションからふんどし姿のトップレス吸血鬼軍団と戦う後半のスプラッター・ホラーへの転調が見事な一本。

とにかく、キャラクター造形とキャスティングが素晴らしい。
イカした兄セス・ゲッコー(ジョージ・クルーニー)とイカれた弟リチャード・“リッチー”・ゲッコー(クエンティン・タランティーノ)のゲッコー兄弟をはじめ、股間にミニガンを仕込んだセックスマシーン(トム・サヴィーニ)や素手で心臓を抜き取るフロスト(フレッド・ウィリアムソン)などのイロモノから、妻の失い信仰心も失った元牧師ジェイコブ・フラー(ハーヴェイ・カイテル)、保安官アール・マクグロー(マイケル・パークス)、FBI捜査官スタンリー・チェイス(ジョン・サクソン)などのイケオジまで、キャラ立ちまくり。地獄のサンタニコ(サルマ・ハエック)、レザー・チャーリー(ダニー・トレホ)、チェット・プッシー(チーチ・マリン)などの吸血鬼軍団を演じたロバート・ロドリゲス組の俳優陣もお見逃しなく。

更に、ボンクラ映画好きのツボを押さえたに武器の準備シーンも完備。
十字架ショットガンや聖水コンドーム&聖水水鉄砲(そっちの聖水ではありません)も最高なのですが、ジョージ・クルーニーがDIY精神で作り上げた木の杭ぶち込んだ掘削機はホラー映画史に残る逸品。【ハウス・オブ・ザ・デッド】シリーズ外伝【ゾンビリベンジ】では【デスペラード】のロケットランチャーと共に登場しているので要チェックです。

言わずもがな、千切ったり、溶かしたり、焼いたり、やりすぎ人体破壊描写から、コウモリ人間やネズミ人間の趣向を凝らしたクリーチャーまで、K.N.B. EFX Group Inc.が持てる技術と才能を余す事なく発揮した特殊メイクの数々は必見です。