クシーくん

激戦地のクシーくんのネタバレレビュー・内容・結末

激戦地(1968年製作の映画)
2.3

このレビューはネタバレを含みます

gyaoにて視聴。物語は第二次大戦中のイギリスから始まる。蟹江敬三似の主人公ことマクファーソン大佐(ジャック・パランス)がコミュニストや軍事刑務所上がり等いずれも訳ありな問題児を連れて
ノルマンディー上陸作戦に先駆けてフランスに潜入し、上陸地の制圧や長距離砲の破壊工作を行う特殊工作隊として戦う…というのは表向きで、
数か月前、自分の部下を無謀な計画から殺された怨みから憎っくき仇である敵司令官のアッカーマンを殺すのが大佐の主目的だった。早い話が復讐(私怨?)である。

急ごしらえで結成したならず者の部下たちは当然反発するが、大佐は銃を突き付けて黙らせるし、現地人を殺すは引っぱたくはで、爆破のプロとしてチームに加わっていたアメリカ人の大尉からは「大佐のやり方はナチスと変わらん」と罵られ、挙句の果てには「あんたの個人的な戦いに俺たちを巻き込んだのか」とド正論を言われ、「今は任務遂行が先だ」と開き直る始末。ひたすらエゴ丸出しのどうしようもないオッサンである。

冒頭ではそれぞれのキャラクターを出してた部下たちも後半どんどん影が薄くなり雑に一人減り二人減っていくし、ナチス幹部の特に必要性の感じられない会議シーンがちょいちょい挟まれてダラダラした話を余計分かり辛くしている。

短くて粗筋は単純だが映像はとにかくチープだし、ごちゃごちゃしていて集中しづらい映画だった。

監督のウンベルト・レンツィは有名な「食人族」に影響受けて食人映画をたくさん撮った監督で、他にマフィア映画やファンタジー等々雑多に撮ったB級男で、代表作は「怪奇!魔境の裸族」。

経歴の割には主演ジャック・パランス、脚本ダリオ・アルジェントと随分羽振りが良いな。2019年作の「All the color of giallo」でインタビュー受けてるようだから、私が知らないだけで当地イタリアではジャッロの巨匠扱いなのか。
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