Taketo

スウィンガーズのTaketoのレビュー・感想・評価

スウィンガーズ(1996年製作の映画)
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6年間付き合っていた彼女にフラれたジョン・ファブローが立ち直るまでを描いた本作。脚本と主演の二役をこなしており、ジョン・ファブローの出世作らしい。今ではなかなかに太っているがこの当時はまだ痩せている。

映画愛に溢れた映画だと思った。タランティーノは全部パクリだと批判しつつも作品の中では「レザボアドッグス」のポスターが映っていたり、「レザボアドッグス」のオープニングシーンを真似たシーンが出てきたり。他にも「グッドフェローズ」の厨房を通って店に入るロングショットを真似たシーン。「グッドフェローズ」はステディカムで撮影した手ブレのない映像だが本作は手ブレしまくりで低予算感がただよっているのがまたいい。そして、パクリだと批判しているシーンの撮り方がいかにもタランティーノ的だと思った。この作品よりだいぶ後の作品だが「デスプルーフ・イン・グラインドハウス」でも同じようなシーンがある。きっとタランティーノには、もっと古い作品で元ネタがあるだろう

昔の彼女を忘れさせる為に仲間がカジノやバーを夜、転々とする。その仲間関係が魅力的。ヘザーグラハムとジョンファブローがうまく仲良くなった後のシーンで友人2人が泣いてるのなんかは爆笑もん。
ヘザーグラハムから連絡がくる事でジョン・ファブローは彼女を忘れ、新たな女性へとシフトチェンジする。たとえ過去の女性から電話がかかってきてもそれはあくまで過去なのだ。もしジョン・ファブローがフラれた後すぐにナンパしまくっていたらそれは「おいおい」となるが、半年以上忘れられないのなら話は別だと思う。
ジョン・ファブローは過去との別れを告げ未来に生きる。彼の清々しい顔といったら。それは大々的な別れというわけではないけれど彼の未来の明るさを暗示しているし、女性関係だけでなく彼の仕事面もきっと明るいことだろう。それは彼が将来監督として「アイアンマン」という高バジェットな映画を撮るようになるくらい。
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