Omizu

兄とその妹のOmizuのレビュー・感想・評価

兄とその妹(1939年製作の映画)
3.8
【1939年キネマ旬報日本映画ベストテン 第4位】
『隣の八重ちゃん』島津保次郎監督作品。大船撮影所で撮った松竹での最後の作品。

面白かった。『兄とその妹』というタイトルからてっきり室生犀星の小説の映画化かと思っていた。違った。

島津監督のモダンな感性が光る秀作だった。佐分利信はもとよりモダンなOLを演じた桑野通子がよかった。存在感があり新鮮な感覚をもたらす素晴らしい女優さんだが、戦後まもなく出産により亡くなってしまったという。勿体ない。

物語としても面白かったし、一見ハッピーエンドだが今観るとバッドエンドにも思えるというラストのキレ味もいい。島津監督作品は『隣の八重ちゃん』と本作しか観ていないが、いずれも感性が新しくとてもいい。
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