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五瓣の椿のmakoのレビュー・感想・評価

五瓣の椿(1964年製作の映画)
4.1
昨年に引き続き今年も「優秀映画祭」がありました。
今年は大女優の名作が上映。
Lプログラム。
3作目は『五番町夕霧楼』。都合により観れず。
4作目。初鑑賞。
原作: 山本周五郎、脚色: 井手雅人
監督: 野村芳太郎、主演:岩下志麻
1964年 カラー/シネマスコープ/163分


タイトルは五瓣の椿(ごべんのつばき)。
瓣は花弁の意味の他に、是非・善悪を区別する、けじめをつけて処理するという意味があり、本作をよく表していると思いました。

あらすじ
父(加藤嘉)の恨みを晴らすために、好色な母(左幸子)と関係をした男達を誘惑し、一人ずつ殺害していく娘おしの(岩下志麻)の復讐物語。殺害された男たちの傍らにはつねに一輪の椿が残されていた。

一部と二部に分かれていて、一部はおしのの復讐が主に描かれ、二部は男たちの連続殺人犯を追う八丁堀の若い与力・青木千之助(加藤剛)が登場し、おしのが復讐するに至った経緯などが描かれていた。

原作は山本周五郎で野村芳太郎監督のコンビなら面白いこと間違いない。しかも脚色は井手雅人(レビューを書く時に知ったけど😅)、私がトラウマになった『震える舌』の脚本家。

本作のレビューを少し読んでいたら、先日観た『プロミシング・ヤング・ウーマン』に似てるとあり、観てみたら納得で展開が似てました。

本作に出てくる男たちもクズばかり。
好色でいやらしい。人柄も酷い。女を見下している。
そんな男たちをうら若い娘が正体を隠し、手練手管で誘惑し、満を持して復讐する。

期待を裏切らない面白さ!
最愛の父を亡くしたおしの。
病弱な父を看病しないばかりか好き勝手に遊び回る母を嫌悪する。
その母の血が自分にも流れていて、自分も汚れていると思うおしの。
そしてある事実を知り、復讐に身を投じる。
おしのを追う与力の青木の勘が鋭い。

「法で罰することのできない罪」をどう罰するのか。現代にも通じるものがあると思いました。

おしのの悲しみ、辛さ、復讐心を岩下志麻が見事に演じていました。
当時23歳頃のお志麻さんが美しい✨
与力の青木役の加藤剛さん、若くてカッコイイ✨
復讐される男たちの中に田村高廣さん。田村正和さん、田村亮(ロンドンブーツじゃないよ)さんのお兄さん。若くてカッコイイ✨
おしのの父役に加藤嘉さん。病弱な役がよく似合う😅
二代目黄門様の西村晃さんも出演されてました。この頃の西村さんはギラついてる。
市原悦子さんも出演してました。『雪国』とは違った健気な役でした。

「優秀映画祭」、4作中3作観れました。
面白かった順番。
①『五瓣の椿』
②『夜の河』
③『雪国』
今回観れなかった『五番町夕霧楼』をいつか観たいです。

※修正
レビューの内で、瓣を書くところを辨と間違えて書いてる箇所がありました。
修正しました🙇💦

観客 10人くらい
劇場鑑賞 #108
2021 #153
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