ガブXスカイウォーカー

仮面ライダースーパー1のガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

仮面ライダースーパー1(1981年製作の映画)
3.9
いまや劇場版仮面ライダーは80分以上ばかりだが、昭和の時代は東映特撮ヒーロー映画は東映まんがまつりの1本として30分前後が当たり前だった。
そんな時代に、本作は45分の中編として製作され、金もそれなりにかけられている。古代中国の戦車「空飛ぶ火の車」の特撮シーンは力が入っているし、新怪人は5体(分身する怪人がいるので着ぐるみは6着)も出る豪勢ぶりだ。CGではない本物の爆発が多いのも当時の特撮ヒーロー物の特徴の一つだ。
また仮面ライダースーパー1・沖和也(高杉俊作)はじめ新怪人もゲストキャラたちもみんな拳法の使い手なので、カンフーアクションをたっぷり見せてくれる。
中でも仮面ライダースーパー1の赤心少林拳の師匠、玄海老師(幸田宗丸)は人間でありながらなんと1対1で怪人を倒してしまう強さだ。
平成ライダーは変身前の役者たちはアクションをほとんど見せないし、変身後はCGの技が多いので、本作の拳と拳で戦うライダーと怪人たちはひじょうに新鮮である(飛び道具も併用するけど)。
なおクライマックスでは映画版恒例の歴代ライダー対ドグマ復讐兵団(再生怪人軍団)も描かれる。仮面ライダーV3の声は宮内洋本人と言うファンサービスぶりが泣かせる。
『仮面ライダースーパー1』は現在では主役の高杉俊价がファンたちに借金を重ねていることが話題になっているが、本作は劇場版仮面ライダーの中でも隠れた傑作アクション映画と言っていいだろう(あくまで子供向けなので過度な期待はしないように)。