スキピオ

ホビット 決戦のゆくえのスキピオのネタバレレビュー・内容・結末

ホビット 決戦のゆくえ(2014年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

絶望的なまでに暴れまくりのスマウグ(最高)、まさかのアバンタイトルで死亡。しかも人間の射った鉄矢一本で…腑に落ちない。宿願の王国の奪還も完了。長い旅の目的がなんと開始10分で達成する。元々二部作の予定を三部作にしただけあって展開はもう目茶苦茶だ。竜を倒した英雄をさしおいて、無能化したエルフ王となんか勝手にダークサイドに落ちたドワーフの王が難癖つけて戦争開始。がしかし気づいたら共闘を始めて、ドワーフ王は気づいたら勝手にダークサイドから復活。宿命の対決の決着もお粗末。最後はいつもの助太刀登場で大逆転!とか目茶苦茶。

戦闘もただただそれっぽいシーンのツギハギ。一つ一つのシーンは確かにかっこいいけれど、冷静に考えるとオークとあれだけ体格差がありながら、悠々一撃で倒していくドワーフ、エルフのメインキャラ補正に興冷め。あげくはビルボの投石でもオークが倒れたりと突っ込み所だらけでついていけない。

ただまぁ大難の去った直後に、理性ある種族同士の"金と宝を巡る戦い"がはじまるというのは現実世界のようで皮肉が効いててよかったのかもしれない。最後に英雄ビルボがガンダルフに見え透いた嘘をつく所も人間味があってよかった。

新三作通して映像効果・美術による世界観の再現は本当に素晴らしかった。ただ結局は長々と、テンポの悪い、雰囲気だけの、子供向け映画だった。LotRはもっと面白かった気がする。これで泣けたという人は何を観ていたのだろうか。

だいたい"時系列が地続きの話"を前後編とか三部作に分けて何度も劇場に足を運ばせるのは好きじゃない。2,3時間で一本に収まらない時点で、それは映画向きじゃないんだから諦めるかテレビドラマでやれと。