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花くらべ狸道中のstanleyk2001のレビュー・感想・評価

花くらべ狸道中(1961年製作の映画)
3.9
『花くらべ狸道中』
1961(昭和36年)大映

同期入社で同じく歌舞伎の世界から映画入りした市川雷蔵と勝新太郎の競演ミュージカルの続編。

公開日は1961年1月3日。大映の正月映画だった。『炎上』でたくさんの賞を受賞して演技力を評価されていた市川雷蔵と今一つヒットに恵まれない勝新太郎。

長谷川一夫の後継の様な二枚目からこの映画では軽妙なコメディ演技をみせてる。勝新太郎はこの後の『悪名』で単独主演作がヒットして『兵隊やくざ』『座頭市』とシリーズ物の主役にのし上がる。

『ウエスト・サイド物語』以前のミュージカルは『花くらべ狸御殿』の様に他愛無いストーリーに歌と踊りが散りばめられているいわばストーリーがあるレビューというものだった。

観客もそういうものだと思っていた。そういう期待に応える華やかさに満ちた楽しいミュージカルだった。

・背景美術が抽象的でモダン
・たぬきのボスのマダム中田康子さんがスタイルが良くてセクシー
・中田康子さんが手下の伊達三郎たち二人を引き連れている姿が『ヤッターマン』のドロンジョを思い出した。ドロンジョの元ネタなのかも
・赤坂小梅、楠トシエ、五月みどり、スリー・キャッツに朝ドラで話題の大阪歌劇団も登場して歌と踊りが充実している
・狸は人間に化けるだけでなくテレパシー、テレキネシス、テレポーテーションまで使う。超能力者?

戦後10年たった街の映画館はきっとたくさんの観客が溢れてみんなニコニコして帰ったのだろう。
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