こぅ

風のこぅのレビュー・感想・評価

(1928年製作の映画)
4.4
ヴィクトル・シェストレム監督による、サイレントで、女性の【ヒューマン・ロマンス】。

本作を【ニーチェの馬】のキョーレツな 強風映画 の始祖として認可しようか。

冒頭、列車内、
バージニアから従兄の牧場に向かうレティ(リリアン・ギッシュ)に目を付け、ナンパしてくるエロ親父、ヴィルト・ロディ(モンタギュー・ラヴ)。

ここは、風の地 と先住民は呼び、決して止む事はない。

従兄のビバリー(エドワード・アール)家に着くが、妻のコーラ(ドロシー・カミング)は、レティを歓迎しないようだ、、

兎に角、昼夜の突風続きが凄まじい(これだけの人工強風を扇風演出するのも大変)‼︎
その恐怖をサイレントの映像表現のみで、観る者に伝えている。
やはり 音より画 の方が圧倒的にインプットされる確証か。

北風は、
雲に住む 幽霊の馬 だと先住民は言う。
女性は、気が変になるとも。
「風なんか怖くない‼︎」
と、強がるレティの恐怖心を 窓から外の突風 を見せるショットで表現。
また、スローで駆けてくる幻影の白馬 を要所要所挟み、メタファー(悪魔の馬)として印象付けているのも秀逸。
全編を彩る 劇伴 が頗る素晴らしく、サントラの代わりにBGVとして本編を流したいくらいだ。

コーラに牧場を追い出されたレティ。
彼女は、2人の男からプロポーズされていた。
他の地で暮らすには、どちらかを選ぶが賢明だ。
ライジ(ラルス・ハンソン)を選んだが、結婚初日に些細な喧嘩で別れ⁈早っ。

クライマックスの最強の北風と徐々に正気を失うレティの演技とそれを表現する演出も見事‼︎

そしてヴィルトと2人きりに、、
強引に、、


悲劇の後の予期せぬ◯◯隠蔽バレ(スリラー)も、
ラストも、希望 の現れとして、風ならでは が効果的に使われている。
原作と変更した絶◯ラストは、守り的平和に。

サイレントだから評価されたってのはあるだろう。


リリアン(35)の演技(特に眼)が光っていた。
こぅ

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