ポンコツ娘萌え萌え同盟

風のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

(1928年製作の映画)
4.0
サイレント映画で暴風といえば個人的には『キートンの蒸気船』の印象が強かった。ただ本作はそれを塗り替えるほどの強風の猛威と表現の豊かさと迫力に心が打たれた。

窓から映る視覚化された風のが流れ。掃いても掃いても溜まる砂埃。人々は地下に籠るほどの悪魔を象徴するかののような黒い竜巻。そして本作最大の要でありまるでこの世の終わりかのような北風。
流石は舞台が”風の王国”と呼ばれるくらいに、その名は伊達ではない。
そんな過酷な状況下でもリリアン・ギッシュは一人の少女としてまたヒロインとて映える。

何よりも窓の表現が特に印象的だ。窓は風の流れを表出したが本作における一種の防波堤でもあると思う。強風でも窓は割れそうで割れなかった。ただその窓が割れた時に心の中で賞賛した。
そこからはもうリリアン・ギッシュと暴風の中での出来事は目が離せなくなるクライマックス。