湯っ子

チャンスの湯っ子のネタバレレビュー・内容・結末

チャンス(1979年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

おとぎ話みたいな不思議な映画だった。観終わってもうまく消化できなくて、この映画のメッセージが何なのか、モヤモヤした。「エンパイア・オブ・ライト」に心を動かされたから、なおさら。

純粋無垢な庭師の男チャンス。「聖なる愚者」は古代からある観念らしい。私は真っ先に「フォレスト・ガンプ」を連想したけど、この映画はもっとフラットでシニカルだと思う。

なぜノーマンはこの映画を選んだのか。ヒラリーはこの映画を観て何を感じたのか。

チャンスがお屋敷を出て初めて見る景色と、そこに暮らす人々。初めて言葉を交わす者。チャンスとともにお屋敷に勤めていた黒人のメイド。
チャンスに恋をして欲望を抱き、文字通りの「ひとりよがり」を見せたイブ。

「世の中も人々も神様も気まぐれ。たしかなものは、心のあり方だけ」
私はこのメッセージを受け取った。ノーマンがヒラリーに伝えたかったのもこれじゃないのかなと思う。
湯っ子

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