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午後の遺言状のkazu1961のレビュー・感想・評価

午後の遺言状(1995年製作の映画)
3.6
「午後の遺言状」
1995/6/3公開 日本作品 2019-020
日本アカデミー賞最優秀作品賞
再鑑賞シリーズ
1996年第19回 日本アカデミー賞最優秀作品賞

人間の老いと死、または生に関する様々な話題を、時にコミカルに、時に悲しく描いています。ほんと、深い良い作品です。
とにかく、ベテラン監督、俳優による生命をもかけた製作、演技に絶句もんです。
撮影当時80歳を超えていた新藤兼人が監督。日本を代表する本作が最後の主演となる女優・杉村春子と本作撮影後癌で亡くなった乙羽信子が自然体のかけ合いを見せます。また認知症にかかる登美江に、本作が45年ぶりの銀幕復帰となる朝霧鏡子と凄まじいキャスティングなんですね。乙羽信子は本作撮影時には癌の為、余命幾ばくも無い状態だったということです。
題名の「午後の遺言状」というのは、人は六十を過ぎたら自分の人生を総括し、遺言を残さなければならないという、新藤監督の信念を現した言葉だそうです。午後とは、人生の後半を意味する象徴的な表現だということなんですね。深い!!

別荘に避暑にやって来た大女優が出会う出来事の数々を通して、生きる意味を問うドラマ。監督・脚色は新藤兼人。主演は杉村春子と乙羽信子。芸術文化振興基金助成作品。日本を代表する大女優の杉村春子の最後の映画主演作、乙羽信子の遺作、1950年に引退していた朝霧鏡子の45年ぶりの出演作である。第38回ブルーリボン賞および第19回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作品。 1995年度キネマ旬報ベストテン第1位ほか、監督賞(新藤)、脚本賞(新藤)、主演女優賞(杉村)、助演女優賞(乙羽)の4部門を受賞した。
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