前半に出てくる精神科や内科の診察室の空間の余り方が、
無機的で殺伐としたイメージを増長していて面白いのですが、
横長な舞台のセットのようにも見えてしまう諸刃の剣。
手持ちビデオカメラでの撮影で画質が悪いのは、予算もあるのでしょうが、
余り構えずに、日常の中の殺伐とした感じを出すのも狙いだと思います。
後半の廃墟などは幻想的なので、綺麗な画質で見たくなりますね。
もし、「この人、邪魔だな」という感情を抑えることなく、
そのまま、邪魔なものを排除する日常行為として殺人に至るとしたら、
一体どんな感じなのか?
という、描写部分が面白く、最後まで飽きずに見られました。
どうしてそうなったかというストーリー部分は、さほど興味が持てず、
実際、あまり面白いとも思えませんでした。
シーンを展開させるのには当然必要な部分ですが。
終わり方は思わせぶりで、面倒くさいことするなぁと思いました。
怖いかどうかですが、
被害者側の恐怖に共感する一般的なホラーの恐さとは全く違ってますね。
私はあまり怖いとは感じず、どちらかというと面白かったという感想です。