このレビューはネタバレを含みます
CURE、おもしろかった!
ストーリーの起伏はそこまでないし、なんならサスペンスとしてはわりと荒唐無稽な設定で、冷静に考えると「なぜそうなる🤔」みたいな内容なんだけど、主役2人の演技力と不安感を煽る演出がすごすぎて妙に説得力があるスリラーだった。
萩原聖人さんはほんとにすごくて、めちゃくちゃ神経を逆なでする演技。
途中話を聞いてて本気でイライラしてしまった笑
これはまさに狙い通りで、まんまと感情をダイレクトで揺さぶられたことにより、登場人物たちのように、ふとしたきっかけで常識が剥げ落ちて自分が自分でなくなってしまうのでは、とすごく不安定な気持ちになってしまった。
それから主人公の役所広司さんの役。
一つ一つの事件と同様、ストーリー全体が主人公にとっての救済、自己を見つめ直すカウンセリング的な意味合いを持っているので、まさに喜怒哀楽全て出し切って演じられてた。
あと、印象的だったのは食事の扱い方。
事件を追っている時点では、まんじゅうみたいなのを会話しながら慌ただしく食べてたり生肉ぶん投げたりと、ろくな食事じゃないんだけど、ラストで憑き物が落ちてからはすごく優雅に食べてる。
掘り下げるほど深い意味はないだろうけど、「満ちたりているかどうか」という表現として共感しやすくておもしろいなと感じた。
演技やそういうの細かいところを含めて、ずっと神経をザワザワ触られてるような不安定さを以てずっと惹き込まれてしまう、そんな映画だった。