観た。
不穏な適度に張り詰めた空気感が首尾一貫して存在しているというか。
トーンにブレが無いのでとても集中して入り込める。
淡々と、唐突に行われる殺人は、一見ごく普通の画のなかで実行されるので観ている方はドキっとする。またその時の編集のテンポもとてもキレがあって良い。
役者陣も素晴らしい。役所広司さんは若いけど当時からこの存在感だったのか。妻の首つりが見えた瞬間とか、妻の医師からあなたの方が心配だ、と言われた時の表情、流石としか。
萩原聖人はこんな人を食ったようなお芝居ができる役者だったのね。うじきつよしも良い。
所謂サイコキラーもののお手本のような映画。終始低めの温度感なのも好き。
黒沢清、脚本・監督