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CURE キュアのPOPCORNのネタバレレビュー・内容・結末

CURE キュア(1997年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

カルト映画というカテゴリされることが多い作品ですからしょうがないのかもしれませんが。意味を掘り下げると色々な解釈や評価が生まれてくると思います。私にとっては少々分かりにくい変化球作品でした。

黒澤清監督の名前を世界にまで轟かせた作品。
日本には2人の黒澤がいるとまで言わせた、サイコスリラー。
ビックリ系の心臓に悪い映画とは言い切れないと思います(※個人差はあります)

これは単なる小言ですが、台詞が聞き取りづらい。DVDで鑑賞しましたが英語字幕しかなく何度も巻き戻ししましたwww

タイトル『CURE』は癒しの意味。

主人公は役所広司演じる本庁の高部。精神を患った妻との2人暮しは気苦労が絶えず、高部の心をも蝕み始めていた。
突如、ホテルで売春婦が鈍器で殴られた挙句、頸動脈をナイフでX型に切られ出血死した死体が発見される。犯人は免許証や衣服など犯人を特定出来るモノを全て残し裸のまま逃走したと思われた。が、スグにホテルの隠し穴の様なところで高部が犯人を発見する。実は同じ様な猟奇的殺人がここ2ヶ月で3件発生していた。犯人に共通する点もなく、1/9世田谷 2/4川崎 2/25品川と。高部はマスコミに手口等も公表せず精神科医佐久間の協力もあって捜査していたところだった。
そして萩原聖人演じる謎の男間宮が千葉の海岸に現れ、その間宮を救おうとして家に招いた小学校教師が妻を殺すという4件目の事件を起こす。またXの刃物傷を残して…。しばらくして、謎の男は建物の屋根から飛び降りたところを警官に目撃され、交番で保護されることに。そこでもまた殺人が起こる…。そして間宮は記憶障害を患っているようで病院に送致されるが、その先の女医までも犯行を起こしてしまう…。
高部は、どうやら間宮が催眠暗示法か何かで殺人を誘導しているのかと推理し始めるのであったが…逆にどんどん高部の方が…。佐久間が高部を部屋に呼んでこんな事を言い始める。
間宮は「伝道師なんだぁ」。
更にその連鎖は…止まらないこととなっていく…。

※以下はネタバレです。ご注意下さい。

18世紀の実在するメスマーというドイツ医者が研究していた催眠術に似た超自然的思想が、日本での信奉者伯楽陶二郎を介して、医学生だった間宮に継承され、どんどん伝えていく…そしてこの一連の殺人が行われたものなのでしょうね。高部たちの〝理性を開放″することで、〝癒し″を与えるというのがこの作品の根幹なのかと考えつきました。
間宮のラストの台詞「本当の自分に出会いたい人間はいつか必ずココへくる、そう言う運命なんだ」。
ラストのファミレスシーンの画角がスペシャルな程素晴らしい。ウェイトレスにフォーカスを当てているのですが、黒服の社員さんらしき人のチラリが意味深で目で追っておりましたσ(^_^;)

2015.4.13
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