みなみ

コンクリート・ジャングルのみなみのレビュー・感想・評価

コンクリート・ジャングル(1960年製作の映画)
4.0
男は刑務所から出所しすぐに犯罪に手を染める。在りし日の東映を思わせるような脚本だが、物語が釈然としない。よくわからない。にもかかわらず、カメラワークによる超絶的な面白さがあるのは映画的魔法だ。まるで息を吐き続けることを強いられているかのような綱渡りの長回しの緊張感。静と動とを行き来し、その中で空間的な構図をバキバキに決めてくる。確かに黒沢清『蛇の道』における廃工場のそれは天才的だったが、刑務所というさらに難易度の高い空間を巧みに操る。カメラが二階へ浮遊する時の高揚感よ。
みなみ

みなみ