"よく映画を観に行った
暗闇のなかゾクゾクした
マドレーヌと僕は失望した
夢の映画ではなかった
僕らの夢見たトータルな映画ではなかった
僕らのつくりたい
生きてみたい映画ではなかった"
そんな従来の映画の枠組みにはまる事を
断固として拒否し一線を画す、
ゴタールによる007とベトナムの時代のフランスに生きる若者たちのタイムカプセル。
お馴染みのジャンプカット、
唐突に流れ出し、唐突にぶつ切られるサウンドトラック。
台詞に被さるクラクション、銃声。
反復。反復。反復。
詩と志と死。
レコードに吹き込む愛。
男性から女性への
くだらなく夥しいインタビュー。
女性から男性への真理をつく聊かな問い。
お尻の呼び方についての議論。
シャンタル・ゴヤの歌声と微笑。
レオのポイっと投げてパクっと煙草をくわえる仕草。
ゴダール作品のなかでも非常に観やすく
『はなればなれに』に次ぐ瑞々しい魅力がパッケージされた大好きな映画です。