YYamada

マトリックス リローデッドのYYamadaのレビュー・感想・評価

3.9
【アクション映画のススメ】
〈ジャンル定義への当てはめ〉
 ○: 心理描写より外面的な動作を重視
 ○: 格闘・戦闘を解決の糸口とする

◆作品名:
マトリックス リローデッド (2003)
◆アクション映画のジャンル
近未来SF/ 人類滅亡危機の回避
◆類似作品
・テネット

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・救世主として覚醒したネオは、コンピュータの支配から人類を解放するため戦いを続けていた。しかし、人間たちが暮らす最後の都市ザイオンに、25万ものロボット兵セインチネルの大軍が目前に迫り、ザイオンは滅亡の危機を迎えていた。
・ザイオンを救うにはマトリックスの「ソース」に到達しなければならず、その道を開くことができる人物「キー・メーカー」を探すため、ネオ、モーフィアス、トリニティーはマトリックスに侵入するが…。

〈見処〉
① 予言が本当なら、戦いのない未来が
 来る。だから戦える。
・『マトリックス リローデッド』は、2003年に製作されたSFアクション。監督・脚本はウォシャウスキー姉妹。
・革新的な映像表現で世界的大ヒットを記録した『マトリックス』(1999)の3部作の第2部。本作と完結編の『マトリックス レボリューションズ』は同時に撮影され、半年の間を置いて公開された。
・映画史に残る前作に引けをとらない、本作のアクション・シーンの大きな見どころは2つ。1つ目は「バーチャル・シネマトグラフィ」という世界初の新技法。100人のエージェント・スミスをを増殖させてのバトルシーンは、多数のスタントにて格闘アクションを撮影し、編集段階のCG加工にて、ヒューゴ・ウィーヴィングの顔に置き換えしている。同様の視覚効果は、本作の2年後に公開された『スター・ウォーズ/クシスの復讐』のドゥークー伯爵(クリストファー・リー)による殺陣シーンに転用されている。
・もう1つは、後半の高速道路でのカーチェイス。トリニティがDucatiに跨がり、高速道路を逆走するシーンは、映画史に残るバイク・アクション。その撮影のために約2.3キロにおよぶ高速道路を建造した逸話は大変有名である。
・ちなみに本作の製作費は、前作(63百万ドル)から倍増以上の1億5000万ドルを投じているが、興行収入は3部作最高の7億3500万ドルを記録。批評面は微妙な評価も、興行面ではシリーズトップの成功作である。

②「寸止め続編映画」最高峰?
「シリーズ第2作は絶望的なエンディングを迎える」という「続編映画あるある」に該当する本作。最終作に向けての「寸止め続編映画」としての評価はいかに!?(以下はあくまでも私見です)

◆寸止め続編映画
【横綱作品】
・マトリックス リローデッド(本作)
・アベンジャーズ/インフィニティウォー
【大関】
・バック・トゥ・ザ・フューチャーPARTⅡ
【関脇】
・スター・ウォーズ/帝国の逆襲
・ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1
・ロード・オブ・ザ・リング/2つの塔
【小結】
・ハリー・ポッターと謎のプリンス
【前頭】
・スター・ウォーズ/最後のジェダイ

「次の作品が待ちきれない」シリーズ作品の大部分は、次作と同時撮影している作品が多数を占めている。

③結び…本作の見処は?
◎: ストーリーは難解ながら「なんとなくわかった気がする」抜群の脚本と深化した世界観にて「次作品が待ちきれない続編映画」の横綱クラスに君臨。
◎: 上記の2つのアクションシーンは、まさに映画史に残る映像革命。このシーンだけで元がとれる。
○: 目的に達するため「マグガフィン」を探究する展開によって、娯楽映画としての緊張感を保てている。
▲: 上記2つの場面を含め、多くのアクション・シーンは冗長的で、前作と比べて、作品の時間配分はイマイチ。

批評面ではイマイチな本作であるが、『アベンジャーズ/インフィニティウォー』の公開まで「続編が待ちきれない最高峰作品」に君臨したことに敬意を払い、1作目と同じスコアとしたい。(実は一番好きかも。。)
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