kkkのk太郎

ラセターさん、ありがとうのkkkのk太郎のネタバレレビュー・内容・結末

ラセターさん、ありがとう(2003年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

宮崎駿が『千と千尋の神隠し』の北米公開に合わせ、PRの為渡米していた2002年9月7日〜15日の9日間に密着したドキュメンタリー作品。
20年来の友人、ジョン・ラセターが海外版の制作からPR活動まで尽力してくれており、そのお礼として製作された私的なビデオレター。
しかし貴重な映像のため広く世に公開すべきだ、という周囲の声が多かったことから、鈴木敏夫プロデューサーがラセターに許可を貰い映像作品として世に出した。
…鈴木さんのことだから、元々DVD化することを企んでいたような気はするけど😅

出演は…
『となりのトトロ』『千と千尋の神隠し』の、日本が生んだアニメ界のレジェンド、宮崎駿。
『トイ・ストーリー』シリーズや『バグズ・ライフ』の、アメリカが生んだアニメ界のレジェンド、ジョン・ラセター。

誰もが認める東西を代表するレジェンド2人がイチャイチャするアイドル映画。
複葉機に乗ったり、クラシックカーに乗ったり、羽根付き帽子を被ったり、とにかくウキウキする宮崎駿の姿を見ることが出来る。

元は個人に向けたビデオレターのため、音声が聞き取りづらかったり、無駄に尺が長かったりと、一つのドキュメンタリー作品としてのクオリティは高くないが、とにかく貴重過ぎる映像のため、ジブリファン及びピクサーファンなら鼻血が出るほど興奮できるはず。
もはや伝説となっている、若き日の駿とラセターの出会いを、本人たちの口から聞くことが出来るとは!
初めて出会った時、宮崎駿はまだジブリを創立しておらず、ジョン・ラセターは未だ何者でもないCG屋の若造だった。そんな2人が後にアニメーションの世界に革命をもたらすのだから人生わからない。

出来たばかりの『めいとこねこバス』を、恍惚とした表情で眺めるジョン・ラセターの姿が印象的だった。
その後自分の息子達に興奮したように映画の内容を伝えており、この人は本当にジブリアニメが好きなんだなぁ、と何故か嬉しい気持ちになった😊
『めいとこねこバス』まだ観れていないんだよな〜…。DVD化してくれないかしら。

アニメ映画ファンなら、『Mr.インクレディブル』シリーズのブラッド・バードが登場したときにテンションが上がったはず。
宮崎駿の「同窓会みたいだな」という一言に、歴史の重さを感じた。

損得勘定のない友情って本当に素晴らしいな、と改めて思わせてくれる一本。
セクハラ騒動でディズニーを追い出されたラセターだが、この作品を観れば彼に悪気がないことがわかるはず。とにかくハグしてしまう人なんです。

ジョン・ラセターが居なければ、未だに世界のミヤザキにはなっていないだろう。
ありがとう、ラセターさん。
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