Antaress

目撃のAntaressのレビュー・感想・評価

目撃(1997年製作の映画)
3.3
掴みはオッケー。

なんだけど何かハマらないのは何故なんだろう。ジーン・ハックマンのド変態で冷徹な悪役がしっくり来ないからかな。

ハックマンを初めて知ったのがポセイドン・アドベンチャーの無骨だが熱い正義感に溢れる神父役でだった。その後はお馴染みフレンチ・コネクションのポパイ警部役。

上記のヒーローのイメージが強いもので本作のあまりにもヤバい大統領の役どころがどうにも受け入れられない。

良い人イメージが強いロビン・ウィリアムズがストーカーを演じた、その名も【ストーカー】の主人公は一応ヤバいおじさんではあるけれど、良い人の中に潜む闇と悲しみが描かれていたので受け入れられた。と言うか好きなキャラクターであった。

でもどうしても本作のハックマンには嫌悪しか感じられない。生理的に無理だ。これが違う役者が演じていたなら違和感なく楽しめたと思うんだけど。

色んな役をこなせてこその役者だとは思うのだが、その役者それぞれのカラーもあるわけで、あまりにもカラーと役どころが合わないと脳みそが納得しない。

少なくとも自分にはこの映画のハックマンが無理。変態プレイが過ぎて女殺した挙句に「これも全て国の為だ」とかほざくの有り得ん。
やっぱり彼には心優しいタフガイで居て欲しい。

イーストウッドの役柄も何だかな〜。人殺しと泥棒じゃ罪の重さは違うけど犯罪者は犯罪者じゃん。

イーストウッドは【運び屋】でも娘に見限られたダメ父を演じていたけどあちらの方はまだ父親に思い入れが持てる。

しかし本作の父親はダメダメ。
刑務所に入りっぱなしだなんて娘からしたら肉親としての愛情なんか持てるわけない。

『酒さえ飲まなきゃ良い人なのに』と言われる人は『飲むからヤバい奴』なんだ。
イーストウッド演じる父ちゃんも『盗みさえしなきゃ良い人』と妻に言われていたが、結局『盗みを止められない人』なんだよね。

イーストウッド本人は婚外子も含むと8人の子どもが居るそうだ。本作を含めその子ども達と色々な映画に出ているとのこと。
そうすることで『下半身のだらしない父ちゃんだけどお前達のことは愛してるんだよ』と意思表示しているのね。

それも金があればこそ出来ることで普通のダメ父ちゃんだったらこうは行かない。

どうにも本作はストーリーより不倫しまくり父ちゃんの金にあかせたお詫び映画にしか思えない。

クリントさん、モテまくるから女遊びは仕方ないとしても避妊だけはキッチリしましょうね。
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