12歳の少女が魅せる可憐さと危うさ。
パッケージに惹かれ、前知識なしに見たらびっくり。
12歳の少女が娼婦だなんて。
まだ年端もいかない少女を手にしようと、大人たちがバイオレットをまるでオークションのように高値で取引する様子にはショックを受けました。
でもそんな私をよそに、バイオレットは堂々とした佇まいと力強い眼差し。
同じく娼婦であった母を見て育ったバイオレットだからこそとくに違和感はなかったのでしょう…。
だけどいくら大人びようと、背伸びしたお洋服を身に付けようと、お化粧で幼い表情を覆おうと、
そして娼婦になろうがあの若さで結婚しようが、そう、彼女はまだかわいい女の子なのです。
愛というものがまだよくわからず、ただただ周りの大人たちみたいになりたくって背伸びして、願望にほんとうの自分が追いつかない様子は、
“愛人 ラマン”のヒロインとどこか重なるものがあったように感じました。
ところで、今作に出てきた娼婦のみなさん、ボッティチェリの『春』という絵に描かれている女神たちを連想させられました。
妖艶さや華やかさでしょうか。似てるものを感じてしまいました。