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マイキー&ニッキーの&yのレビュー・感想・評価

マイキー&ニッキー(1976年製作の映画)
4.5
【2014/1/12:オーディトリウム】ピーター・フォークとジョン・カサヴェテスが同じフレームに収まってるというだけでわたし的にはもう6億点くらい差し出す感じ。
どんなバディ関係にも、二人だけにしかわからない、暗黙の、約束めいた大切なものはあって。それが、ほんの瞬間いびつにはみ出してしまったら。そんなのその瞬間だけの気まぐれな破滅であって、大丈夫、大丈夫…と思っていても、修復できないことだってある。命を落とすことも。
一見、殺し屋と通じるピーター・フォーク扮するマイキーが裏切り者のようだけど、二人の間にある「大切なもの」をはみ出して(=裏切って)しまったのはカサヴェテス扮するニッキーじゃないかな。赦しを封じ込めるようなラストのマイキーの表情、妻への言葉。
「裏切りのサーカス」を観た時、コリン・ファースとマーク・ストロングのラストで、ニッキーとマイキーのことを思い出した。マーク・ストロングみたいな選択をしなかったマイキーは、薄暗い闇を抱えていくのか、いや、どんな選択をしたとしても、それなりのやり切れなさを抱えていくんだろうな。
ニッキーの最後の瞬間が、全て悟った上で、あの、口角の上がったいたずらっぽい上目遣いだったらいいなあ。
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