Denkishino

悲しみは星影と共にのDenkishinoのレビュー・感想・評価

悲しみは星影と共に(1965年製作の映画)
3.6
第二次大戦中、ナチスドイツ占領下のユーゴスラビア。
ユダヤ人迫害が日に日に強まる中、眼の見えない男の子と姉の二人暮らし。母に先立たれ、父は収容所へ送られたまま行方不明。先行きのわからぬまま日々を生きていく二人。解放運動に加わる男性と恋する姉は、眼の見えない弟を柵に繋ぎ止めて、その彼との一時を過ごす。冒頭のこのシーンは、若者らしくか、その恋路に純粋に、しかし弟を放ってしまう有りがちな少しの無責任さが罪深く見え、BGMの切なさがよりそれを際立てます。物語としては、ユダヤ人迫害の様子と生き別れた父の動向、姉の恋模様と、基本的に姉の視点で描かれます。夢断たれる若者の様子は、観ていて胸がつかえる感じがしますが、如何せん姉が少々恋路に走りすぎて私としては入り込みづらい雰囲気でした。恋路に走るのは結構なのですが、ここは構成なのか、しばしば弟が放ったらかしになって、そちらの方がこちらとしては心配で…笑 恋する若者故の少しの愚かさ。とすべきか、一時の安息を許すべきか…。終盤は悲劇的で、ラストの列車に乗って姉が語るシーンには目頭が熱くなります。
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