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戒厳令
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『戒厳令』に投稿された感想・評価

benno

bennoの感想・評価

3.7
コスタ=ガヴラス監督『政治3部作』の最終作…コンプです…。

『Z』ではギリシャ…『告白』では東欧が舞台でしたが…今作は南米ウルグアイ…アメリカの介入をバックに起きた政治事件が題材になっています…。

1970年…南米ウルグアイのモンテビデオ…。

ある朝…イタリア系アメリカ人のサントール(イヴ・モンタン)とブラジル領事カンポスが都市ゲリラの革命グループ、ツパマロス(MLN-T)に誘拐、拉致されます…。

新聞記者カルロス・デュカス(O.L. ハッセ)は曖昧な受け答えしかしない政府側に疑問を感じ、単独で調査に乗り出します…

…サントールは国際開発機関の交通・通信部担当の技師…カンポスは要人だが、何故一般市民のサントールまでが誘拐されるのか??

それはすぐに明らかになります…彼はアメリカ国家の命により、ウルグアイ政府と手を組んで進歩的左翼勢力を弾圧する目的でこの国にやって来たのです…。

サントールの指揮下でロペス大尉、ロメロ大尉を中心とした暗殺団を結成、秘密裏に革命勢力を撲滅しようとしていたのです…通称"死の中隊"…暗殺、スパイ活動、拷問…あらゆる非道な手段も厭いません…。

構図そのものは至ってシンプル…

『死の中隊 vs ツパマロス』

ツパマロスは24時間以内に捉えられた多くの政治犯を解放しなければ、サントールを処刑すると最後通告…。

政府の反応は…??

ドキュメンタリータッチでエンタメ性は低いですが…戒厳令の敷かれた町の雰囲気の不気味さやカット割のカッコよさに惹きつけられます…音楽は『Z』のMikis Theodorakis(ミキス・テオドラキス)…とてもキャッチーで耳に残ります…。

人間描写も素晴らしく、特に面白かったのは尋問シーン…と言うよりはツパマロスの一員(覆面をしたまま)とサントールのお互いを探り合うような駆け引きの会話シーン…緊迫感もあり目が離せません…。

« Je voudrais savoir pour quel type de civilisation croyez vous combattre? »
君たちはどんな社会を目指して戦っているんだ?

ー « C’est une faiblesse, disons une civilisation l’existence gens comme vous n’aurez pas de sens. »
あなたのような存在が意味をなさない弱い社会ですよ

つまりテロリストが理想とするのは軟弱な政府…っს

ひとつ気になったのは…何故イヴ・モンタン?? しかも言語が仏語…ちょっと違和感っს

3作通して作品はそれぞれ面白かったですが、やはり時代背景諸々知っていたら…もっと楽しめたと思います…でも貴重な作品が観れて…良き⌯♡ྀི


✎︎ YouTube (仏語音声、英語字幕)ですෆ*
Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

3.5
「戒厳令」

冒頭、1970年代の軍事政権になる前の緊迫した情勢下にあったウルグアイ。国際開発局(USAID)に勤務するイタリア系アメリカ人。技師、ブラジル大使館、領事、ゲリラ、誘拐、政府、警察学校、左翼勢力、弾圧、公安当局、通信関係。今、モンテビデオで起きた事件を解く…本作はコスタ・ガヴラスによる三部作の最終章で、主演のイヴ・モンタンが全て主役で出演しており、1972年に仏、伊合作映画で、この度DVDを購入した初鑑賞したが面白い。まず、本作のモデルは作品。1970年のウルグアイの首都であるモンテビデオで起こったイタリア系アメリカ人のダン・アンソニー・ミトリオンがゲリラグループのトゥパマロスによって誘拐され、最終的に殺害された事件を映画化したものである。1970年8月の南米ウルグアイの首都モンテビデオで、ダン・アンソニー・ミトリオンと言うイタリア系アメリカ人が極左集団に誘拐され、死体で発見される事件が発生、その後、この謎の人物はアメリカの警察養成学校の出身者で、アメリカの傀儡政権である中南米諸国の治安警察に、反体制活動を封じるための特殊訓練を施していたと言う衝撃的事実が明らかになり、監督が仕上げたものとの事だ。どうやら民主主義を高く揚げながら、その裏で異国の地の傀儡政権の軍事独裁化を推進し、自由と平和を求める民衆を弾圧すると言うアメリカの知られざる外交援助政策を痛烈に暴露しているようだ。

一躍激しい論議を提唱しアメリカ本国では、その鋭い批判に恐れをなしてメジャー会社が配給を見合わせ、監督には直ちに反米のレッテルが貼られる羽目となったらしい。ところが、実際には自分はアメリカが好きだし、その民主主義がもたらしたより肯定的側面を、世界はもっとよく理解すべきだとも彼は述べていたようだ。結構去年キューバの作品を見て思ったのだが、なぜ南の国は軍事政権や独裁政権が幅をきかせているのかなとずっと不思議だったが、この作品を見て改めて南米と言うのは低開発国や開発途上国が多く、一様に貧困に悩み、飢餓に苦しんでいると言う事が本作からも、世界経済からもわかる。まさにこの作品は世界経済を反映した物語である。貧困からの脱却、民主国家の樹立は多くの人の望むところだが、簡単に実現しないところに問題の深さがあると思われる。

そうすると監督は三部作の一作目では、ギリシャのクーデターを描き、2冊目の告白ではソ連間チェコでの政権人民弾圧を描き、本作では南米を舞台に、南の問題に介入した映画であることがわかる。しかも全てが実話である。アルゼンチンとブラジル、2つの大国の間にある大西洋岸の小国ウルグアイの首都で1970年に起こった事件をモチーフにしている。やはり米国と言うのは、いわゆるラテンアメリカ諸国を都合の良いように扱おうとしているのかなと思わされる。まぁ、プロパガンダ映画でもあるため疑惑はあるものの、基本的にはそういったスタンスなんではないだろうか。1960年代から70年代にかけてウルグアイは政治的に分裂状態、民族解放運動を挙げる左翼のツパマロスは1967年に結成され、強盗と誘拐を中心としたゲリラ活動を始めていたし、彼らは一時的に中産階級の支援を受け、多くの若者が参加していたのも周知の通りだろう。そんな動きの中に事件が起きたと言うことが映像からわかる。


さて、物語は緊迫した政情不安下の南米ウルグアイ、モンテビデオ。イタリア系アメリカ人サントーレ達が都市ゲリラの革命派によって誘拐された。政府はこの国際的誘拐事件に、戒厳令を発動し、町は恐怖と混乱と化す。事件をカルロスはかたくなに口を封じ、曖昧な答えしかしない政府に疑問を抱き始める。そして衝撃的な事実が隠されていることを突き止めるのだが…と簡単に説明するとこんな感じで、1970年、南米ウルグアイで起きた実際の事件をもとに、「アルジェの戦い」(66)のF・ソリナスとコスタ=ガヴラスが徹底的に取材と調査をして、他国へ及ぶアメリカの影と、冷徹な政治のメカニズムを描き、息詰まる物語を作り上げている。前作2作品に引き続き、監督が人気スターのイヴ・モンタンと組んで放つ衝撃の問題作として有名だ。そして、ウルグアイは1973年より軍が発言権を強め、80年代前半にかけて軍部色の強いものとなっていった。前作2本に続く監督お得意のポリティカルスリラーで、時間の経過とともに緊張感が増加していくサスペンスフルな内容は凄いものがある。

今思えば、ピノチェト軍事独裁政権が誕生したり、アジェンデ社会主義政権の下であったチリだったり、当時のアメリカのニクソン政権だったり、色々と歴史が頭にを駆け巡る。本作に限ってはフランスを中心にヨーロッパでは好評だったが、アメリカ映画協会での試写会が突然中止になったりでアメリカではやはり反米色が強い作品とレッテル張りされたのだろう。そしてピノチェト政権下の悲劇は後にパルムドールを受賞した82年の傑作「ミッシング」で描くことになる。とにもかくにもこの三部作は見て損なしの政治映画である。
コスタ・ガブラス監督。

素晴らしい。

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