想起されるのはコーエン兄弟の「ノーカントリー」で
ほんの些細なことから暴風化する暴力と
それを諦観するしかない警察という構図で
当然本作の方が先に作られているから
コーエン兄弟血脈の映画だなあと感じる。
ただ、これは「ノーカントリー」を先に観たが故にかもしれないが
暴風と化す暴力のシンボルとして
アントンシガーというカリスマ怪物を先に観ているせいで
本作の暴力性はちょっと弱いと感じてしまう。
「ノーカントリー」繋がりでいくと
コーマックマッカーシー脚本の「悪の法則」がかなり近い物語。
本作の方が話のスケール感としては小粒だけど
まあ大体同じ話。
98分と比較的短尺で終始緊迫感の途切れない作りは見事と思うものの
もうウィリアムHメイシー出てくるだけで「失敗」が目に見えてる分
前述2作と比べるとまあそうなるよねという展開。
ブシェミはカッコいいけどね。