ykzr

ファーゴのykzrのネタバレレビュー・内容・結末

ファーゴ(1996年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

まず、実話を元にしているということで、後味が悪いことを予想できた。作品を見ていくと、こんなにも間の悪い負の連鎖が起こるものなのか、と凄惨さに目を覆いたくなった。
人は一人殺すと、次に殺人という手段を取るまでに罪悪感が軽くなるという。これは、さまざまな作品の受け売りである為、実際のところは確認しかねる。しかし、この作品の犯人はそれが顕著であった。
悪夢のような連続殺人事件の最後の犠牲者は、2人の殺人犯のうちの小男だった。この仲違い殺人において、偶然だろうが、大男が斧を持ち小男を殺害する様子が作中に何度も登場するポール・バニヤン(きこり・開拓者)を連想させた。
実話であるためこのミーニングは大変失礼にあたるかもしれない。だが、映画作品としてみた時、大男の最期の殺人行動は、あまりにも作業的行為に見え、まるできこりが木を切り倒し、剪定するように思えた。それだけ、殺人に対する罪の意識が希薄になり、手段の一つとしてこの行為があるのだということをまざまざと見せつけられた。
女性警察官の鋭さや、誠実さは魅力的であったが、「なぜこのシーンを見せられているのだろう?」と思うところがたびたびあった。キャラクターをこちらに理解させるためなのかもしれないが、少し違和感を覚えた。

【追記】
他の方の感想を読んでいて、フィクションだと知りました笑 随分出来すぎた狂言殺人と負の連鎖、死の描き方だなと思いましたが、フィクションなら納得。何度も出てきたポール・バニヤンも巨人伝説=空想話ということでまんまと騙されました。それもふくめ、評価を3→3.5に変えます笑
ykzr

ykzr