ハレルヤ

誰も守ってくれないのハレルヤのレビュー・感想・評価

誰も守ってくれない(2008年製作の映画)
3.2
小学生姉妹を殺害した容疑で18歳の少年が逮捕される。刑事の勝浦は容疑者の15歳の妹を保護するように命じられるものの、次から次へと容赦ないマスコミやネットによる追求が押し寄せる。妹を匿いながらの逃避行を繰り広げる社会派ドラマ。

結論から言うと前半は良かったけど後半は残念という印象。どこにでもある一軒家に警察が押し寄せて、突然の出来事に呆然となる両親。そして連行される兄。学校で事実を知らされる妹。マスコミや野次馬に囲まれた家。犯罪者の家族になってしまった一家がその場で離婚届と新たに婚姻届を書いて法的に身分を変えたり、就学の義務の免除がある場面は普段じゃ見られないところなので興味深かったです。

ただ本作の肝である妹がクズ過ぎた。自分の置かれている立場を全然分かっていない。自分自身は何もしていないのは分かる。けど自分の兄が罪のない幼い姉妹を殺害した事実は間違いないのに、その件で心を痛めている描写が全く無い。

むしろ逆ギレして被害者面。自分の事しか考えていないし、終盤にやって来た彼氏とのイチャイチャやラストで知らされる事実にも見ててイライラが半端なかった。自業自得じゃんと思ったし、面倒ばかり起こしてて逆にもう保護止めて放置しろよと思ったほど。

これ演じてる志田未来が可哀想に見えましたね。本人は決して嫌いじゃないだけに尚更。佐藤浩市、松田龍平、木村佳乃、石田ゆり子、柳葉敏郎、チョイ役だったけどムロツヨシなどの豪華キャストが勿体ない。あと佐々木蔵之介の役どころも根本的にはいらなかった気が。

シリアスな雰囲気だったのに論点がズレまくって、加害者家族もやっぱりクズじゃんという結論になっているように見えましたね。終盤の展開なんかシッチャカメッチャカになってて、無理矢理綺麗事のように締めくくっていたから違和感が凄かった。

テーマ的には興味深く、物語の運びようによっては傑作になってたと思うので、色々と残念な形だなぁと感じましたね。
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