ゆうがer

ドリアン・グレイ/美しき肖像のゆうがerのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

話:2.5怖さ:2.5映像:2.0
音楽:2.5演技:1.5時間:3.0 計14/20

メインビジュアル(○)±0

導入部分の音楽は、恐怖心を煽るのに非常に効果的だった。
(恐らく、後の展開を暗示しているというのはすぐにわかった。)

"肖像画は若いままなのに、そのモデルの自分は老いていく"という発想になるのが私には無いなと感心した。

この若さを保てるなら、魂をも売る…

ドリアンは、美貌と若さを武器に、欲望のまま様々な人間と肉体関係を持つようになる。
さすがに草むらの上では…虫がうじゃうじゃいそうだし…と違う心配をしつつ、前半の官能的なシーンの数々を鑑賞。

そうした生活を続けていると、肖像画にある変化が生じる。
老いる事など有り得ないはずの肖像画が、老いていくのだ。

何もかもが完璧である(そうでなくてはならない)と自分自身に言い聞かせ続ける他なくなってしまったドリアンは、完璧であるはずの肖像画に幻覚を見た。
いや、それは幻覚などではなく、鏡のように自分自身を投影していたのかもしれない。

"自己肯定感"が極端に高い人にも、同じ世界が見えているのかもしれないと思った。

理想 自分は若いまま、絵は老いていく
現実 自分は老いていき、絵は若いまま

若いのは悪い事?性に対するメッセージ?
"絵"や"言葉"には魂が籠るというのは聞いた事があって、芸術の世界を通して、死生観を伝えられた気がした。
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