公開当時、すごい期待して見に行ってガッカリして帰ってきた覚えのある平成版『妖怪大戦争』を、新作公開前に一応見返して見ましたが、
やっぱりダメだ。ひどい、ひどすぎる！
豊川悦司が『帝都物語』の魔人「加藤」を演じている。
声変わり前の神木隆之介がかわいい！
元気な菅原文太が見られるのも貴重だ。
CGがちゃちいのは仕方ないんだけど、妖怪というよりサイバーパンクみたいなモンスターは嫌だ。
とても京極夏彦、宮部みゆき、水木しげる、荒俣宏が監修したとは思えない。
妖怪は怖くなくてもいいんだけど、気味が悪くなくちゃ。
妖怪をさらってバケモノにするって発想がそもそも嫌だ。
変に吉本入れてるから作品とそぐわないギャグも挟むし。
失敗の原因は恨みと憎悪をベースにした「加藤保憲」の世界と『妖怪大戦争』の世界とが相入れないため。
以前見た時は、責任の全てをやっつけ仕事の三池崇史に感じたが、まず作品世界を荒俣宏の世界にしたことが問題だ。
加藤を中心にすると敵も味方も憎しみの連鎖になってしまう。子供にも見せたくないし、この世界だと妖怪の良さが活きない。
「喧嘩まつりじゃ〜！」とか、妖怪が十波一絡げでイベントで盛り上がる酔っ払いみたいな描き方されていて悲しい。
スネコスリを異形のものに変えちゃうのもかわいそうで大嫌い。
魔人加藤との最終決戦が、宮迫〜岡村〜あずきずきずきとか、ナンセンス過ぎてひどすぎる。これじゃ神木隆之介のがんばりも、麒麟送子も意味ないじゃん！
改めて見ても本当にひどい。不快でしかない。
私は68年版『妖怪大戦争』が大好きなんだけど、この平成版には妖怪への愛が感じられない。
今度の『ガーディアンズ』も三池崇史だし、不安しかないけど、それでも見に行ってしまうのは映画ファンのサガ。期待しないで見に行くよ。
