しろくま

まむしの兄弟 二人合わせて30犯のしろくまのレビュー・感想・評価

3.9
2022.09.28/210/GYAO
〝今日から二人の兄弟分や。つまり、まむしの兄弟は3人ちゅう訳や〟〝それ本気で言うとるのか〟〝本気や。兄弟分にしたるって言うたやないけ。今更そんなこと言うて〟

チンピラの義兄弟、ゴロ政(菅原文太)と弟分の勝(川地民夫)が騒動を巻き起こす〝まむしの兄弟〟シリーズの7作目。作品によって監督や脚本家が替わると、話の運び方や登場人物の性格まで大きく違ってしまうことがあるが、本作は、お約束は踏襲しつつも、ワンパターン崩しに成功。冒頭の毎度の出所風景も〝どうしたの?いったいこれは…〟な展開で面白い。婦警さんを襲ったり、店にアレをまき散らしたりするなど、やっていることはいつもの人の道に反していることばかりだけど、泥棒のジュンがメンバーに加わったり、資産家の遺産相続問題を絡めてきたりして、なんか違って新鮮。

今回のマドンナは泥棒のジュン(東三千)。普段は男の子の格好をしているけど実は女性で、ドレスを着たら見違えるほどにかわいい。ジュンの方が政を好きって言うのもこれまでと違っていて、きゅんとする。資産家の奥様(三宅邦子)と勝との親子関係もいいね。ジュン&政の〝赤色エレジー〟も心に沁みる名曲。
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