ゆみモン

藏のゆみモンのネタバレレビュー・内容・結末

(1995年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

宮尾登美子原作小説の映画化。
ファンなので、「鬼龍院花子の生涯」「陽暉楼」「序の舞」「櫂」「夜汽車」「寒椿」と、小説も読み映画も鑑賞してきた。

降旗康男監督。

任侠とか遊郭という舞台ではなく、地主で酒蔵の家元という裕福な家に生まれた待望の娘「烈」。

烈の子育ては、病弱な妻・賀穂(黒木瞳)に代わり、妹の佐穂(浅野ゆう子)にまかされる。
佐穂は既に婚期を逃してはいたが、烈の母代わりとしてその一生を犠牲にして(当人にはその意識はないかもしれないが)捧げるのだ。

烈が盲目となっていくことを中心に、田乃内家の人々は次々に苦悩にぶつかる。その時どう道を切り開いていくかが描かれる。

時代や地域が異なり、人々の価値観や人権感覚も異なる。そんな中でも変わらない、家族、親子、男女の愛について考えさせられる。

映画の尺故に、途中「10年後」などとしてしまわなくてはならなかったが、大河ドラマなどで丁寧に描いてほしい作品だ。