鎌谷ミキ

里見八犬伝の鎌谷ミキのレビュー・感想・評価

里見八犬伝(1983年製作の映画)
5.0
【哀悼 萩原流行氏】

ここには俳優さん個人のレビューはないので、この場所を借りて。至極個人的な話を。
本作に初めて出会ったのが小学校低学年だった。恥ずかし気もなくいう。一目惚れだった。ほとんどが真田広之さんに恋をする所、この頃からマセていた私は当時28才ぐらいの流行氏の悪役妖之介に恋をしたのだった。昨日何年かぶりに観ても、その頃のことを思い出せるぐらい鮮明に。

その後のご活躍はオンタイムで観ていた。『教師びんびん物語』も『スケバン刑事Ⅲ』も。しかし、私の中で流行氏の魅力は「陰」だと思っている。本作の妖之介がメジャーの中の「陰」だと記憶している。後はサスペンスドラマ(一時的な恋で数年間の記憶しかないが)
二十代後半ですでに漂っていた妖しさ、色気。そして時折見せる、ご本人の本当のやさしさ。生意気だが、私にはそれらを含んで好きだった。

これから過去作を哀悼の意をこめて観ていこうと思っている。このような形で振り返るのは悲しすぎる。そして、遅すぎる。初恋の人が事故死。ドラマにありがちな設定が、現実に起きて欲しくないと心から思った。

流行氏でしか醸し出せなかった独特の雰囲気が好きでした。ご冥福を心よりお祈りいたします。
鎌谷ミキ

鎌谷ミキ