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ブレイブ ワンのadeamのレビュー・感想・評価

ブレイブ ワン(2007年製作の映画)
2.0
暴漢の愚行で愛する者を奪われた主人公が銃を手にして復讐に身を投じていくサスペンスドラマ。
男性社会に立ち向かう強い女性像を精神的に体現し続けてきたジョディ・フォスターは、00年代に入ると肉体的にそれを体現しようとするかのように、「パニック・ルーム」、「フライトプラン」と闘う女性を演じることが多くなっていきました。
いずれも賞レースとは初めから無縁そうな作品で、二度オスカーを手にした演技派女優のイメージから脱却を図ろうとしている印象でした。
その到達点とも言えるのが今作でしたが、公開当時からの今ひとつな評判と興行成績で、キャリア的には結実しなかった試みだったのかもしれませんが、自身のパーソナリティを表現するという点で意義のあるチャレンジだったのだろうと思います。
内容的には、いきなり復讐に直結せずに無関係なチンピラを始末することで自信をつけてエスカレートしていく展開には説得力があった一方で、その葛藤は見せても狂気を描かないスタイルには作り手の視点の偏りが気になりましたし、その行く末の結末でそれは顕著に表れてしまった印象でした。
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