・気が遠くなるほど広大でなにもない砂漠の風景、そこを行軍するラクダの列、沈む夕日。惚れ惚れするような映像が続き、約4時間もあるのに不思議と飽きることがない。CGもなしにあの映像が生まれたのは信じがたいし、「こういう映像が撮りたいんです」と提案されて、それを受け入れた人々がいるのがすごすぎる。私なら詳しく話を聞くこともなく突き返してしまうだろう。あまりにも壮大で、あまりにも過酷な風景を映しているのでドキュメンタリーを観ているような気さえした。
・物語も乾ききった無情な現実を描いていて、観終わった後にはざらりとした判然としない感触が残る。ただの大冒険や英雄譚にせず、実在した人物の失意と功罪を描く映画に仕立てたのがすごい。社会情勢的にも今観るとかなり思うところがあり、そして今観ても思うところがあることに思うところがあったりする。
・長いし映像の力が強い映画だから、やっぱり一度は大スクリーンで観たいな。IMAXレベルのスクリーンでぜひ上映してほしい……。