第1次世界大戦の開戦後、実在のイギリス陸軍の少尉が率いた、オスマン帝国からのアラブ独立戦争を描いた歴史スペクタクル。
もちろん脚色、フィクション部分も多いのだろうが、芸術映画としては素晴らしいクオリティ。
わかりやすく楽しみやすいストーリーは、終始ドラマティックでかつ抑揚がある。
ロレンスは持ち前の頭脳や誠実さ、勇敢さを以てアラブ民族を団結させていく。
いわゆる"白人の救世主"ものではあるが、人種に関係ないひとつのドラマとして楽しめるほど人物描写は豊か。
アラブ人へのアラブの解放という大義のためとはいえ、過激な言動に出るロレンスはカリスマティックであり狂気的でもある。
思ってたよりヒロイックに描かれないのがおもしろかった。
俳優陣の競演も見応え抜群。
ピーター•オトゥールはもちろん、オマー•シャリーフやアンソニー•クイン、アレック•ギネスらみんなかっこいい。
音楽も素晴らしく、衣裳デザインや撮影、美術も壮大で緻密。