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馬賊やくざのmitakosamaのレビュー・感想・評価

馬賊やくざ(1968年製作の映画)
3.6
東映 Xstream のYOUTUBEから。
昭和初期の満州において日本軍部の腐敗を正そうとする義強に熱い漢を鶴田浩二が演じる。
大映・勝新の兵隊やくざ、東宝・佐藤充の独立愚連隊などと類似する大日本帝国時の大陸での無頼漢を西部劇風に表現するジャンルだね。
とはいえ、そこは東映・鶴田浩二の布陣だ。良くも悪くも、思いっきり任侠ヤクザの世界を盛り込んでいる。

関東軍の幼なじみに呼ばれ満州に渡った南(鶴田)は、軍部の腐敗により行われている武器の横流しとアヘンの密売の不正を暴くべく立ち上がる。
数々のピンチになるが、その都度に南の侠気が仲間を作り力を合わせ敵の本拠地へ。

まず軍部の調査員(松方弘樹)が捕まえにくるが鶴田の侠気に惹かれ合流。
流れ者だった元馬賊(近衛十四郎)も合流。
そして武器商人・西川も最初は私欲の為に仲間になる。

この西川が抜群に良い!演じるは遠藤辰雄だぜ!普段コミカルな悪役が多いエンタツだが、今作ではクセのある味方として登場!実に味がある。はっきり言って今作のMVPはエンタツだ。

仲間だった満州人の車夫は馬賊の仲間、たまたま助けた満州の女は実は馬賊の頭領。たまたま匿ってくれた日本人
の女は実は敵の親玉の情婦だった、とたまたまな偶然が3つも重なる。ご都合主義やなー(笑)
しかもみんな鶴田浩二の侠気に惚れるのだ。

物語は普通に面白いのだが、個人的にはそこまで任侠のノリは要らなかった気もするんだよな。その方が却って鶴田浩二の新しい魅力が構築出来たかも知れなかった。
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