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宇宙戦争のgenarowlandsのレビュー・感想・評価

宇宙戦争(1953年製作の映画)
3.7
 🛸宇宙船のフォルムが美しい🛸

スピルバーグがリメイクした作品のオリジナル(1953年)。SFはそんなに観ないので、十分不安を煽られました。途中から怖くなって昼間に鑑賞。火星人が火星の環境が合わなくなり、次の棲みかとして地球にやって来て、世界中を荒らし回る話(戦後間もない日本は免れていたようす。アジアは中国とカンボジアがやられました)。

人類は為す術がなく、神頼み。

1953年ですが、広島・長崎の教訓が全く活かされず、火星人に簡単に原爆を使ってしまう。しかもギャラリーが多く、近くで眼鏡かけるだけで防御はOKというもの。核の恐ろしさを学んでいない😢

火星人自体は、怒り肩のジャミラ似で、ETぽくしわしわの皮膚で伸びる手足に蛙手、顔は信号機を合わせたような光の三原色が目と口と耳を合わせた受発信できる機能(テレビを模した)みたい。タコ火星人👾のイメージより一歩進んでました。

宇宙船が非常に近代的! 攻撃する音が昔のゲームの電子音で、ゲームの電子音はここから来たんじゃないかしら。(→ワイヤーをハンマーで叩いた音でした。のちの映画には、「宇宙戦争」で使われた様々なサウンドテクニックが受け継がれているそうです)

宇宙船の形態も滑らかなフォルムでメタリックな近代美。ステンレスのような翼の両端に緑の光、正面に緑のバンパー、探査する首が長く伸び、そこから破壊光線出します。なんとなくだけど、鳥のツルを思わせます。なんとなくだけど、日本を思わせると思っていたら、造形を手掛けたのは日系人のアルバート・ノザキ氏。ツル型宇宙船の奇襲攻撃は意味深です。緑の光線ではなく赤かったら、抗議されそう。

「2001年宇宙の旅」の地球人の宇宙船は真っ白で曲線は使っているものの、どちらかといえば、四角い無機質感が近代を表していたのに、1953年のこちらの火星人の宇宙船は初代iMac(1998年)みたいなポップで軽快な美しさで驚きました。グッドデザイン賞並みです。


SFあまり観ないので、内容より「未来のイメージ」をどうかたちにしているかが気になりました。あと、「未知のもの」への対応。牧師さんが宇宙人とコンタクト取りに勇敢に近づきましたが…神父はひたすら教会で祈り、奇跡を待ちます。

あと、米軍の爆撃機がまるでステルス戦闘機の紙飛行機の形で、気になり調べたら、のちにステルス機に採用された実物のYB-49という幻となった爆撃機でした。
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