青二歳

グスコーブドリの伝記の青二歳のレビュー・感想・評価

グスコーブドリの伝記(1994年製作の映画)
3.5
宮沢賢治“グスコーブドリの伝記”アニメ化。猫の擬人化はなく至って普通の人間たちが住むイーハトーブ。当然のことながら女衒の迫力は2012年版の比ではない。こわいわ。
“グスコーブドリ”が宮沢賢治のSF作品だということを実感できる仕上がり。農業技師として科学的なアプローチで岩手の農業を改革しようとした賢治だからこそのサイエンスフィクションでもあり、サイエンスファンタジーでもある。
ブドリがラストの自己犠牲に突き進むのはご存知の通りですが、なんか覚醒するところがニュータイプっぽい…人間的な心情で覚悟を固めていくのは猫の擬人化の方(2012年版)。その点については今作の方がリアリティから離れた描写なのが面白い。ブドリの成長が妙にSFっぽいんですよね…精神世界に飛んだりして。

でも2012年版と比べるとこちらの方が見応えがある。自己犠牲のくだりで失速するのはどちらも同じだけど…あといちおうブドリが声変わりするのもいいですね。子供向けにするためか一切大人にならないキャラクターデザインなのに声だけ変わるという。高山みなみからの変声だから違和感も強いが…
なぜDVDになっていないのか謎。
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