ヨミ

ゴダールの決別のヨミのネタバレレビュー・内容・結末

ゴダールの決別(1993年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ストーリーはわからなかったし、画面が変わる側から記憶から失われるし、セリフや展開はほとんど覚えていない。観るというより眺めていたという感覚に近い。ワクチンの副反応中に観たからだろうか。ここまで3作を観て、ゴダールは集中できないし飽きちゃうし、そのせいでよくわからないのだが
、しかし惹かれる何か、「何かがそこにあるはずだ」という思いを喚起させるということを感じ始めている。

信仰についての作品だろうか?
むしろ物語について、小説について、映画(映像)についてにみえる。
時間と空間の、前者だけが後退させられている感じ。
音声トラックや映像のタイムラインを、画像レイヤーを重ねた感じ。モンタージュによる「意味の創出」を嘲笑う感じ。
時間芸術の、時間が弄ばれている。

小説を読むとき、シリアルにしか読めない。物語は同時に単独のものだけ読み取られる。映像はそうでなくていい。パラレルなものが同画角に位置してもよい。
結果としてそこには世界があった。
映画制作者は視線を誘導し、耳を誘導し、ひとつの「物語」を提示する
でも誰かが喋ってるときに、誰かがピアノをかき鳴らしている。世界ってそういうものだ。
『シンエヴァ』に感じたものと、似たものを感じた。
あと呆然と立ち尽くして台詞を言うだけのひととか。『ホモ・サピエンスの涙』を思い出した。
ヨミ

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