&y

悦楽共犯者の&yのレビュー・感想・評価

悦楽共犯者(1996年製作の映画)
4.2
【2014/2/7:ユーロスペース】シュヴァンクマイエル翁曰く「性交のない最初のエロティック映画」だが、どっちかというと「変態の、変態による、変態のための変態映画」だと思う。薬師丸ひろ子が「カ・イ・カ・ン」と言い放った15年後、チェコではこんな「カ・イ・カ・ン」がぶっこまれたってことか。厳しい時代背景を持つ土壌からこそ生まれ得るチェコ文化、深い!と思いつつ、とりわけヤン翁は変態すぎという気もする。
シュヴァンクマイエルにとって、生きる上に起こるすべてのことは同等の事件なんだと思う。生誕から死に至るまで、当然の如く繰り返される食事とか夢とか性癖とかセックスという「人の生業」。それらをある種セレモニー的にデフォルメして扱うことが人生を豊かにしそうな気もするが、そんな簡単にイイ話風にはしない。というかヤン翁自身そんなに人生を肯定的に捉えてないのだろうな。ここでは、性癖や食事と同等の重さ(軽さ)で、人が死んだりもする。ヤン翁から見える・聴こえる(これ大事)世界そのものが、そういうものなのでしょう。
観たあと、どの人の変態っぷりに共感するかワイワイやるのもヨかったりビミョウだったりしますが、わたしはパンの人好きです。彼女のそれは、他者の存在を外側においた快楽。
いいね!わたしもすっかり共犯者。
&y

&y