流れ者の男と恋に落ちた大地主の未亡人。
男には過去があり、ふたりは山へ逃げることを決める。
この未亡人、どちらかと言えば意地悪おばさま系のルックスで戸惑う。
この時代はこういうタイプがイケてたんだろうか(平安時代の小野小町てきな)。
子どもとともに隠遁生活をする環境がワイルドすぎるし、妻をめぐる三角関係もあいまって、これはもういつ誰が死んでもおかしくない不穏さ。でもって、崖から落とされたのはまさかの……えー、うそーん。
飢えと寒さに襲われるふたりは、まるで別人のように罵り合う。
そういえば男が盗みを働いたのも、家族を飢えから救うためだった。
アイスランドの自然の厳しさがこの作品の肝であり、極限状態における愛と神による赦しに対して、「生恋死恋」というタイトルはなかなか秀逸。