イペー

サンセット大通りのイペーのレビュー・感想・評価

サンセット大通り(1950年製作の映画)
4.5
愛と妄執に縁取られた、忘れ去られた大女優の一世一代の名演、熱演、狂演。
凄いもの見ちゃったなぁ…。
映画好きを自称するには、古典とも呼ぶべき過去の名作をほとんど観ていないので、少しずつでもチェックしなきゃなー、という謎の使命感でもって手始めに今作をチョイス。
不勉強な自分でも何度となく耳にするタイトルなもので。
時代を超える名作だけあって、映画としての輪郭が整っていて、セリフのひとつひとつ、カットのひとつひとつに惹きつけられる。
作品の強度の高さに感心している内に、自然と物語への没入度も高くなる。
時代に取り残された大女優。物語の語り手であり、主人公でもある売れない脚本家。
二人の歪な共生関係と愛憎。
ハリウッドの深い闇に呑み込まれつつも、大女優にスポットライトが当たる刹那、圧巻のラストシーン。
女優の凄まじさと映画の凄まじさを同時に目の当たりにして、今後とも映画を観続けます、と消え入りそうな声で決意表明するのでした。
イペー

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