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わらの男のどーもキューブのレビュー・感想・評価

わらの男(1957年製作の映画)
4.0
 ピエトルジェルミ、わらの恋



1957年作、脚本(他三名)監督出演ピエトルジェルミ。

オールドイタリアフィルムのあったかい作風で名高いピエトルジェルミ。

俳優と監督の両天秤をかける欧州名優名監督の始祖でもあります。

本作ジェルミは妻一人、可愛い息子一人の工場労働者。

猟の寒さで息子が病気になり遠くに入院。

その間ジェルミは一人。

そこに降って湧いたマッチの火が彼にかかってしまうのです。恋の灯がともります。

ザックリ解説するとジェルミの「不倫」物語。

一見真面目そうなジェルミに降り注ぐ浮ついた気持ち。

音楽カルロスルスティケリの繰り返される主旋律の素晴らしい調べ。

エレクトーンと口笛の「フューフュー」サウンドが超良いんです。「口笛」音に弱い僕。ヨーロッパ映画のオールディーズ作品は特にサウンドトラックが良すぎますねー。

何だろうこの温か冷たいこのサウンド、スンゲェーいいんです。

ジェルミのわらのようにフラフラした寒々しい火遊び。

誰にでもある「うわついた」気持ち。

こんな昔に、こんだけぇ丁寧に紡ぐ夫婦の愛、夫婦の気持ちのドラマに心底引っかかり気持ちが揺さぶられる。

物語的に女性陣から

「甘い」

と言うツッコミが聞こえてきそうだが、

このわらのようなジェルミの熱くふらつく愛に自分の気持ちは、ヤキモキし、ムカツキ、あったかく、かきまざされた。

ピエトルジェルミ名監督なり!

2009年10月レビュー

追記
今レアソフトでしょうかね、「鉄道員」を見た流れから、ビデオで見たピエトロ作品でした。
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