モールス

ロルナの祈りのモールスのレビュー・感想・評価

ロルナの祈り(2008年製作の映画)
4.5
ヨーロッパの移民問題にメスを入れた作品は数多くあります。その中でも本作の出来は、かなり優れたものになっております。
主人公ロルナはお金を得るために偽装結婚をします。その相手とは麻薬中毒者であり、いずれは命を落としそうな若者でした。
映画の前半は、そんなロルナが夫の世話をしているところを中心に話が進みます。当然そこに愛があるわけでなく、あくまでも彼女にとっては仕事だったのです。そうは言っても、そこは人間同士です。時間を共有することによって、愛が生まれるのも不思議ではありません。ヨーロッパでは根の深い移民問題ですが、一個人として移民とふれ合った場合はそうなるものだと納得してしまいます。
ロルナの彼に対する献身的な看護に本来人間が持つ優しさが見事に描写されてました。それだけに後に起こる悲劇が衝撃的でありました。彼女の愛情が悲劇に感じさせてしまったのですね。
とにかく見応えがありました。さすがはダルデンヌ兄弟ですよ☆
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