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ロルナの祈りのフェミ研ゼミのレビュー・感想・評価

ロルナの祈り(2008年製作の映画)
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私今髪型と身体がロルナみたいだわ。
どこかなんだか、だらしない印象で。

私が映画にハマったのはこの作品がきっかけだった気がする。

あのときは大学生でツタヤでバイト始めた頃で、
こんなにも沢山の映画があるのに私はどれも知らないし、どの映画をどんな風に選んだらいいかもわからなかった。今思うとそんな自分が恥ずかしかった。
だからそんな自分が1本目になんでこれを選んだのかも忘れたけど、観たんだ。

正直意味わかんなかった。全然楽しくなくてエンタメじゃなくて、セリフもそんななくて、つらくて重い感じだった。
でもこの映画の重たさとか監督の言いたいこととか全然分かんないんだけど分かりたくて感想ノートを作って書いてた。よくわかんない。って。
映画を観るたびに1.2行の感想を書いた。
そんなことしかできなかったけど、知らない人が作ったこんなにもたくさんの映画を知りたいと思ったし会ったこともない映画向こうの人の気持ちと会いたいって思った。
とりあえずいっぱい観たら世界の法則じゃないけど、何か見つけられる気がして沢山美味しくもないご飯をかっこむように沢山映画観た。

あの時この映画を観て分かりたいって思ったことを、多分今なら分かるような気がする。
この重たさの意味とかじゃなくて、
この映画の楽しみ方というのを理解した気がする。
映画の楽しみ方っていうと偉そうだけど。
なんかのグルメ雑誌の編集長が、本当のグルメっていうのは、立ち食い蕎麦でもフレンチのフルコースでも同じように食事を楽しむ好奇心をもてる人のことだと言ってて正にそれだって思った。

上手いこと言えないけど、どんな映画でも心得方をもってればいいんだと思った。
そんな風に私はわかった気がした。

ツタヤは死ぬほど映画があって海みたいだった。溺れるかと思った。でもわたしは今でも息をしてる。この映画にしがみついて息をした。今でもたまに溺れそうになるけど、なんか今は全然苦しくない。
海は広いな大きいな〜〜って歌えるくらいになった。

ロルナのこのパッケージが仕舞われてた棚の位置とか面陳されても誰にも借りられないロルナのこと覚えてる。本当にありがとう。
こんなステキな出会いが沢山あるのに、
こんなにも沢山の人に会えるのに、そんなツタヤがどんどん閉店しちゃうのやだなあってたまに泣きたくなる。

ロルナ。私はロルナを見つけた。
そのことは永遠に忘れないでしょう
世界からレンタルビデオ屋さんがなくなっても永遠に語り継ぎたい。
探してないものに会える場所が人には必要だと思うんです。

いつにも増してなんの話や。
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